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【2020年最新】特定技能外国人を受け入れできる14分野の業種と職種!

特定技能外国人を受け入れできる職種は、特に日本人の雇用が難しい14分野と決められています(2019年4月1日付)。日本は、2019年から5年間で最大34万5千人もの特定技能外国人を受け入れる計画なのです。

それでも人手不足を完全に解消するのは難しいと言われていますが、技能実習生が最長5年までしか働けなかったことを考えれば、「特定技能」は画期的な制度と言えますよね。技能実習生が特定技能に移行すれば、最長10年、しかも職種によっては家族とともにずっと日本で暮らすこともできるようになるのですから。

特定技能外国人を受け入れるには、さまざまな方法があります。しかしおそらく一番現実的な方法は、技能実習を受け入れている企業で、技能実習生がそのまま特定技能に移行することや、帰国してしまった元技能実習生を特定技能外国人として同じ職種で再び迎えることではないでしょうか。

そこでこの記事では、特定技能外国人を受け入れできる14分野の業種と職種(業務)、そのうち技能実習から移行できる職種と作業についてお伝えしていきます。

特定技能の基本的な仕組みと技能実習との違いについては、こちらをご覧ください。

特定技能外国人を受け入れできる14分野の業種と職種(業務)

特定技能外国人ができる仕事は、日本政府によって詳細に決められています。(2020年2月時点の方針)。仕事内容は追加、変更されることもありますが、特に日本人の雇用が難しい次の14分野の業種と職種(業務)が受け入れ先として指定されています。

このうち特定業務2号の受け入れ先としては、建設と造船・船用工業の2業種のみが指定されています。

詳しくは「新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」をご覧ください。

介護


分野 業務
介護 身体介護(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、 排せつの介助など)
支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助など)
※訪問系サービスは対象外

ビルクリーニング

分野 業務
ビルクリーニング 建築物内部の清掃

素形材産業


分野 業務
素形材産業 鋳造
鍛造
ダイカスト
機械加工
金属プレス加工
工場板金
めっき
アルミニウム陽極酸化処理
仕上げ
機械検査
機械保全
塗装
溶接

産業機械製造業

分野 業務
産業機械製造業 鋳造
鍛造
ダイカスト
機械加工
塗装
鉄工
工場板金
めっき
仕上げ
機械検査
機械保全
工業包装
電子機器組立て
電気機器組立て
プリント配線板製造
プラスチック成形
金属プレス加工
溶接

電気・電子情報関連産業

分野 業務
電気・電子情報関連産業 機械加工
金属プレス加工
工場板金
めっき
仕上げ
機械保全
電子機器組立て
電気機器組立て
プリント配線板製造
プラスチック成形
塗装
溶接
工業包装

建設(※1号と2号対象)

分野 業務
建設 型枠施工
左官
コンクリート圧送
トンネル推進工
建設機械施工
土工
屋根ふき
電気通信
鉄筋施工
鉄筋継手
内装仕上げ/表装

造船・船用工業(※1号と2号対象)

分野 業務
造船・船用工業 溶接
塗装
鉄工
仕上げ
機械加工
電気機器組立て

自動車整備

分野 業務
自動車整備 自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備

航空

分野 業務
航空 空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務など)
航空機整備(機体、装備品等の整備業務など)

宿泊

分野 業務
宿泊 フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供

農業

分野 業務
農業 耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別など)
畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別など)

漁業

分野 業務
漁業 漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保など)
養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等)

飲食料品製造業

分野 業務
飲食料品製造業 飲食料品製造業全般(酒類以外の飲食料品の製造・加工、安全衛生)

外食業

分野 業務
外食業 外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)

技能実習生2号から特定技能1号に移行できる職種と作業

特定技能の在留資格は、日本語試験や技能試験に合格することによって取得できます。しかし実は、技能実習2号を良好に終了すれば、これらの試験なしで「特定技能1号」に移行することもできるのです。

これは今技能実習をしている人も、過去に技能実習生だった人も対象ですので、日本で長く働きたい人にとっては好都合な制度ですよね。真面目に働いていて企業の評価が高い人は、無試験で日本に長くいられることになります。

それでは外国人技能実習生ができる81職種145作業のうち、特定技能1号に移行できる職種と作業を見ていきましょう。受け入れ職種と作業は、追加・変更されることもありますので、最新情報はこちらでご確認ください。

・特定技能へ移行OKの職種でも、分野によって移行の対象外となっている作業がありますのでご注意ください。
・詳しくは「新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」」をご覧ください。

農業関係(2職種6作業→OK)

職種名 作業名 特定技能
耕種農業 施設園芸 移行OK
畑作・野菜
果樹
畜産 農業 養豚
養鶏
酪農

漁業関係(2職種9作業→OK)

職種名 作業名 特定技能
漁船 漁業 かつお一本釣り漁業 移行OK
延縄漁業
いか釣り漁業
まき網漁業
ひき網漁業
刺し網漁業
定置網漁業
かに・えびご漁業
養殖業 ほたてがい・まがき養殖

建設関係(22職種33作業→8職種15作業OK)

職種名 作業名 特定技能
さく井 パーカッション式さく井工事 移行なし
ロータリ式さく井工事
建築板金 ダクト板金
内外装板金
冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工
建具製作 木製建具手加工
建築大工 大工工事
型枠施工 型枠工事 移行OK
鉄筋施工 鉄筋組立て
とび とび 移行なし
石材施工 石材加工
石張り
タイル張り タイル張り
かわらぶき かわらぶき 移行OK
左官 左官
配管 建築配管 移行なし
プラント配管
熱絶縁施工 保温保冷工事
内装仕上げ施工 プラスチック系床 仕上げ工事 移行OK
カーペット系床仕上げ工事
鋼製下地工事
ボード仕上げ工事
カーテン工事
サッシ施工 ビル用サッシ施工 移行なし
防水施工 シーリング防水工事
コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事 移行OK
ウェルポイント施工 ウェルポイント工事 移行なし
表装 壁装 移行OK
建設機械 施工 押土・ 整地
積込み
掘削
締固め
築炉 築炉 移行なし

食品製造関係(11職種16作業→OK)

職種名 作業名 特定技能
缶詰巻締 缶詰巻締 移行OK
(酒類以外)
食鳥処理加工業 食鳥処理加工
加熱性水産工食品製造業 節類製造
加熱乾製品造
調味加工品製造
くん製品製造
非加熱性水産工食品製造業 塩蔵品製造
乾製品製造
発酵食品製造
水産練り製品製造 かまぼこ製品製造
牛豚食肉処理加工業 牛豚部分肉製造
ハム・ソーセージ・ベーコン製造 ハム・ソーセージ・ベーコン製造
パン製造 パン製造
そう菜製造業 そう菜加工
農産物漬物製造業 農産物漬物製造
医療・福祉施設給食製造 医療・福祉施設給食製造

繊維・衣服関係(13職種22作業→移行なし)

職種名 作業名 特定技能
紡績運転 前紡工程 移行なし
精紡工程
巻糸工程
合ねん糸工程
織布運転 準備工程
製織工程
仕上工程
染色 糸浸染
織物・ニット浸染
ニット製品製造 靴下製造
丸編みニット製造
たて編ニット生地製造 たて編ニット生地製造
婦人子供服製造 婦人子供 既製服縫製
紳士服製造 紳士既製服製造
下着類製造 下着類製造
寝具製作 寝具製作
カーペット製造 織じゅうたん製造
タフテッドカーペット製造
ニードルパンチカーペット製造
帆布製品製造 帆布製品製造
布はく縫製 ワイシャツ製造
座席シート縫製 自動車シート縫製

機械・金属関係(15職種29作業→OK)

職種名 作業名 特定技能
鋳造 鋳鉄物鋳造 移行OK
非鉄金属鋳物造
鍛造 ハンマ型鍛造
プレス型鍛造
ダイカスト ホットチャンバダイカスト
コールドチャンバダイカスト
機械加工 普通旋盤
フライス盤
数値制御旋盤
マシニングセンタ
金属プレス加工 金属プレス
鉄工 構造物鉄工
工場板金 機械板金
めっき 電気めっき
溶融亜鉛めっき
アルミニウム陽極酸化処理 陽極酸化処理
仕上げ 治工具仕上げ
金型仕上げ
機械組立仕上げ
機械検査 機械検査
機械保全 機械系保全
電子機器組立て 電子機器組立て
電気機器組立て 回転電機組立て
変圧器組立て
配電盤 ・制御組立て
開閉制御器具組立て
回転電機巻線製作
プリント配線板製造 プリント配線板設計
プリント配線板製造

その他(15職種27作業→7職種14作業OK)

職種名 作業名 特定技能
家具製作 家具手加工 移行なし
印刷 オフセット印刷
製本 製本
プラスチック成形 圧縮成形 移行OK
射出成形
インフレーショ成形
ブロー成形
強化プラスチック成形 手積み層成形 移行なし
塗装 建築塗装 移行OK
金属塗装
鋼橋塗装
噴霧塗装
溶接 手溶接
半自動溶接
工業包装 工業包装
紙器・段ボール箱製造 印刷箱打抜き 移行なし
印刷箱
製貼箱製造
段ボール箱製造
陶磁器工業製品製造 機械ろくろ成形
圧力鋳込み成形
パッド印刷
自動車整備 自動車整備 移行OK
ビルクリーニング ビルクリーニング
介護 介護
リネンサプライ リネンサプライ仕上げ 移行なし
コンクリート製品製造 コンクリート製品製造 未定

社内検定型の職種・作業(1職種3作業→1職種1作業OK)

職種名 作業名 特定技能
空港グランドハンドリング 航空機地上支援 移行OK
航空貨物取扱 移行なし
客室清掃

特定技能の分野ごとの管轄と受け入れ条件

特定技能の受け入れについては、分野ごとに管轄する省庁が違っています。たとえば「介護」分野は「厚生労働省(厚労省)」が、「建設」分野は「国土交通省(国交省)」が管轄していて、受け入れ機関が守るべき条件がそれぞれ設定されています。

管轄 分野 受け入れ機関が守るべき条件
厚労省 介護 ● 厚労省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
● 厚労省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
● 事業所単位での受入れ人数枠の設定
ビル
クリーニング
● 厚労省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
● 厚労省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
● 「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」の登録を受けていること
経産省 素形材
産業
● 経産省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
● 経産省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
産業機械
製造業
電気・電子
情報関連産業
国交省 建設 ● 外国人の受入れに関する建設業者団体に所属すること
● 国交省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
● 建設業法の許可を受けていること
● 日本人と同等以上の報酬を安定的に支払い、技能習熟に応じて昇給を行う契約を締結していること
● 雇用契約に係る重要事項について、母国語で書面を交付して説明すること
● 受入れ建設企業単位での受入れ人数枠の設定報酬等を記載した「建設特定技能受入計画」について、国交省の認定を受けること
● 国交省等により、認定を受けた「建設特定技能受入計画」を適正に履行していることの確認を受けること
● 特定技能外国人を建設キャリアアップシステムに登録すること等
造船・
舶用工業
● 国交省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
● 国交省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
● 登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、上記条件を満たす登録支援機関に委託すること
自動車整備 ● 国交省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
● 国交省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
● 登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、上記条件等を満たす登録支援機関に委託すること
● 道路運送車両法に基づく認証を受けた事業場であること
航空 ● 国交省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
● 国交省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
● 登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、上記条件を満たす登録支援機関に委託すること
● 空港管理規制に基づく構内営業承認等を受けた事業者、または航空法に基づく航空機整備等に係る認定事業場等であること
宿泊 ● 国交省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
● 国交省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
● 登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、上記条件を満たす登録支援機関に委託すること
● 「旅館・ホテル営業」の許可を受けた者であること
● 風俗営業関連の施設に該当しないこと
● 風俗営業関連の接待を行わせないこと
農水省 農業 ● 農水省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
● 農水省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと
● 登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、協議会に対し必要な協力を行う登録支援機関に委託すること
● 労働者を一定期間以上雇用した経験がある農業経営体であること
漁業 ● 農水省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
● 農水省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
● 農水省が組織する協議会において協議が調った措置を講じること
● 登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、分野固有の基準に適合している登録支援機関に限ること
飲食料品
製造業
●   農水省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
●   農水省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
外食業 ●   農水省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
●   農水省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
●   風俗営業関連の営業所に就労させないこと
●   風俗営業関連の接待を行わせないこと

まとめ

特定技能外国人を受け入れできる14分野の業種、技能実習生2号から特定技能1号に移行できる職種などについてお伝えしました。どんな内容だったか、あらためてふり返ってみましょう。

・特定技能1号ができる仕事は、介護、自動車整備、宿泊、外食業など14分野
・特定技能2号ができる仕事は、建設と造船・船用工業の2分野
・特定技能の在留資格は、日本語試験や技能試験に合格すると取得できる
・技能実習2号を良好に終了すれば、試験なしで「特定技能1号」に移行できる
・技能実習生2号から特定技能1号に移行できる職種と作業は、細かく決められている
・特定技能の分野ごとに、管轄と受け入れ条件が細かく決められている

今技能実習生として日本で働いている人も、過去に技能実習生として働いて帰国した人も、この新しい特定技能の制度を利用すれば、日本でより長く働けそうですよね。技能実習2号のときに良好に終了すれば、試験なしで在留期間が延長できますので、日ごろの働きがハッキリと評価されます。

特定技能の制度で外国人を受け入れると、人手不足が解消できるというメリットがある反面、予期せぬトラブルが発生する原因にもなります。そのため、受け入れ機関が守らなければならない条件も細かく決められていますが、これは日本で働くすべての労働者を守ることにもつながるでしょう。

外国人労働者を積極的に受け入れるという日本の新しい取り組みに期待して、協力していきたいものです。

参考:外国人技能実習制度について(法務省)