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技能実習生を雇う会社はどんな会社?受入れ人数や条件もチェック!

さまざまな業種の企業で、外国人技能実習生の受け入れが進んでいます。日本では労働力不足が深刻な問題になっており、外国人技能実習生がいるからこそなんとか経営を維持できているという企業もあるほどです。

とはいえ、どんな会社でも技能実習生を受け入れられるというわけではありません。技能実習生を受け入れるためには、いくつかの条件を満たしている必要があるのです。当記事では、外国人技能実習生を雇う条件や受け入れ可能な人数を解説していきます。

技能実習生を雇う会社はどんな会社?

技能実習生を雇う会社

技能実習生を雇うためには、どのような条件を満たしている必要があるのでしょうか。ここからは、技能実習生を雇うことのできる会社の条件を解説していきます。

賃金面の条件

まずは「賃金面の条件」を満たしていなければなりません。外国人技能実習生を「低賃金で雇える労働力」と勘違いしている人もいますが、外国人だからといって安い賃金で雇うのは違法になります。

技能実習生の賃金は、同じ業務に従事する日本人と同額以上にしなければなりません。また、各都道府県で設定されている「最低賃金」もクリアする必要があります。過去には安すぎる金額で外国人技能実習生を雇用し、トラブルに発展したケースも発生しているので注意が必要です。

保険に加入させる

次に「保険に加入させる」ことも条件になります。技能実習生も日本人従業員と同じように、健康保険や労災保険への加入が義務付けられています。特に健康保険は企業と従業員が折半で保険料を支払わなくてはならないため、加入したくないという技能実習生もいることでしょう。

しかしながら、本人の意思に関わらず、保険に加入するのは義務になっているので説明したうえで必ず保険に加入させるようにしましょう。事前の説明が足りていないと、「聞いていた給与額と手取り額が違う」ということでトラブルになりかねません。日本語が苦手な外国人でも理解できるよう、分かりやすく説明するようにしてください。

帳簿の作成や保管は必須

「帳簿の作成や保管」も、技能実習生を受け入れる企業に求められている要件のひとつです。帳簿は技能実習修了後1年間、事業所において保管しておかなければなりません。実習実施者が作成しなければならない帳簿書類は、下記の通りです。

  • 技能実習生の管理簿
  • 認定計画の履行状況の管理簿
  • 指導内容を記録した日誌
  • 入国前講習・入国後講習の実施状況の記録書類(企業単独型実習実施者のみ)
  • 事業所轄大臣が定めた書類(特定の職種や作業のみ)

記録日誌などは業務に従事した日ごとに記入しなければならないため、漏れのないように注意しましょう。

住居を確保できる

外国人技能実習生の「住居の確保」も、受け入れる企業が行わなければなりません。社宅や寮がある企業はそれを活用することができますが、ない場合はアパートや戸建てを借り上げて住まいとして用意する必要があります。

住居の広さも法律で決められており、技能実習生ひとりあたりパーソナルスペースが4.5平方メートル以上なければなりません。また、寝具や机といった家具や水や電気、ガスの供給、WiFiなどの生活に必要なインフラも整えておくことが求められています。光熱費や家賃は、給料から差し引くなど実習生に請求することが可能です。

技能実習生を雇えない会社の条件

技能実習生を雇えない会社の条件

技能実習生を雇えない会社もあるので、注意が必要です。ここからは、技能実習生を雇えない「欠格事由」として挙げられる項目を、詳しく解説していきます。

関係法律による刑罰を受けた

技能実習に係る法律に違反し、刑罰を受けた企業は技能実習計画の認定を受けられません。具体的な欠格事由は下記の4種類あります。

  1. 禁錮以上の刑に処せられた
  2. 技能実習法や入管法、労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられた
  3. 暴力団関係法、刑法等に違反し、罰金刑に処せられた
  4. 各種保険料の徴収等に関する法律、雇用保険法において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた

どの場合においても執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年間は技能実習計画の認定対象外となります。5年を過ぎれば技能実習計画の申請ができるようになるので、改めて申請を行うようにしましょう。

技能実習法による処分を受けた

技能実習法による処分を受けた企業も、5年以内は技能実習生を雇うことができません。また、出入国や労働に関する法令に対して不正または著しく不当な行為を行った場合も、5年間は技能実習計画の認定を受けられないことになっているので注意が必要です。

不正または著しく不当な行為の一例としては、不法就労の助長行為や偽変造文書行使などを行った場合などが対象になります。さらに、労働基準関係法令で送検され、刑罰に処せられた場合も対象です。

申請者の行為能力や役員等の適格性

申請者の行為能力や役員の適格性も、技能実習生の受け入れを許可するかどうかの判断基準となります。具体的には、下記のような人の場合技能実習生の受け入れが認められないので注意が必要です。

  • 心身の故障により技能実習業務を適正に行えない者
  • 破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 成年者と同一の行為能力の未成年者で、かつ法定代理人が欠格事由に該当する者
  • 役員のうちに欠格事由に該当する者がいる法人企業

技能実習制度の目的は、実習生が母国に持ち帰るための技能を伝えることです。その技能実習業務を行えないと判断されれば、技能実習生の認定は受けられません。

暴力団排除の観点

最後は「暴力団排除の観点」で認められないケースをみていきましょう。近年では各都道府県警察において、暴力団排除条例が施行されています。それにより、暴力団員等が事業活動を行っている企業においては、技能実習生の認定を受けることができません。

また、現在は暴力団員でなかったとしても、暴力団員でなくなった日から5年を経過していない場合は同様の扱いとなります。心当たりがある場合は、事前に監理団体に相談してみることをおすすめします。

技能実習生を雇うのに必要な人員

技能実習生を雇うのに必要な人員

技能実習生を雇うためには、必要な人員を配置しなければなりません。要件に含まれているのは「技能実習責任者」「技能実習指導員」「生活指導員」の3種類です。ここからは、それぞれどのような仕事をする人なのか、詳しく解説していきます。

技能実習責任者

「技能実習責任者」とは、技能実習を管理・監督する責任者です。技能実習生を受け入れる事業所ごとに選任し、技能実習の進捗状況などを管理しなければなりません。主な管理業務としては、下記が挙げられます。

  • 技能実習計画の作成
  • 技能実習生が習得した技能の評価
  • 各機関への届出、報告、通知やその他の手続き
  • 帳簿書類の作成や実習実施報告書の作成
  • 技能実習生の受け入れ準備と監理団体との連絡調整
  • 技能実習生の保護
  • 技能実習生の労働条件や産業安全および労働衛生管理
  • 国・地方公共団体の機関やその他関係機関との連絡調整

責任者が上記の業務を統括することで、技能実習生がスムーズに技能実習を受けられるようになります。技能実習責任者は3年に一度、講習を受けなければなりません。未成年者や業務経験の浅い新人社員は責任者に任命することはできないため、注意が必要です。

技能実習指導員

「技能実習指導員」とは、外国人技能実習生を直接指導する役割の人です。受け入れ企業は技能実習指導員を1人以上選任することになっており、複数名を任命することも可能です。技能実習指導員は外国人技能実習生を受け入れる事業所に所属し、5年以上の業務実績がある人でなければなりません。

必須事項ではありませんが、技能実習指導員を要請するための講習も定期的に開催されています。技能実習指導員の受講は優良な実習実施者の基準のひとつになりますので、この先も技能実習生の受け入れを行う予定の企業は検討してみる価値があるでしょう。

生活指導員

最後は「生活指導員」です。その名の通り、外国人技能実習生の生活を指導する役割を果たす人のことです。外国人技能実習生の生活状況を把握し、相談窓口にもなる必要があります。できるだけ実習生に寄り添うことのできる人を配置すると、失踪など問題の発生を抑制できるでしょう。

生活指導員は、事業所内の常勤の職員から指名します。とはいえ、技能実習生の生活を指導員一人がすべて把握し、指導するのは難しいうえに責任も大きくなります。そのため、補助者を付けることも可能です。

技能実習生の受け入れ人数

技能実習生の受け入れ人数

技能実習生は何人でも受け入れられるというわけではありません。受け入れる人数には制限がありますので、事前に確認しておきましょう。ここからは、技能実習生の受け入れ人数について解説していきます。

一般の企業の場合

一般の企業の場合、常勤職員の人数に応じて受け入れられる技能実習生の数も変わってきます。常勤職員の人数ごとに、下記の表で確認してください。

常勤職員の人数 受け入れ可能な技能実習生の人数
~30人 3人
31~40人 4人
41~50人 5人
51~100人 6人
101~200人 10人
201~300人 15人
300人~ 常勤人数×1/20

上記は技能実習1号の場合の受け入れ可能人数です。技能実習2号の場合は、上記の表の人数の2倍まで受け入れることができます。

また、技能実習1号の場合は常勤職員の総数を超えて雇用することはできません。さらに、2号になると常勤職員の総数の2倍を超えてはならないと決められています。

常勤職員とは、継続的に雇用されている社員のことです。既に企業で働いている技能実習生は、常勤職員の数には含まれません。

優良な実習実施者の場合

「優良な実習実施者の場合」は、上記よりも多くの外国人技能実習生を受け入れることができます。優良な実習実施者が受け入れられる人数は、下記の表を参考にしてください。

常勤職員の人数 受け入れ可能な技能実習生の人数
~30人 6人
31~40人 8人
41~50人 10人
51~100人 12人
101~200人 20人
201~300人 30人
300人~ 常勤人数×1/10

一般企業に比べると、2倍の人数を受け入れられることが分かります。優良な実習実施者になるためには、法律で定められた基準をクリアしていなければなりません。

点数制で評価項目が設けられており、6割以上の企業のみが優良と認められます。優良な実習実施者の基準については、外国人技能実習機構のホームページで確認してみましょう。

優良認定を受けると、受け入れ人数が多くなるばかりでなく2号から3号への移行が可能になるというメリットもあります。3号に移行することで、さらに2年間勤務期間が長くなるため合計で5年間の実習が可能です。

技能実習3号の場合は上記表の人数の3倍までの人数をを受け入れることができるので、他社から技能実習生を受け入れることもできるようになります。このように「優良認定」には多くのメリットがあるので、ぜひ検討してみましょう。

技能実習生の受け入れが可能な職種一覧

技能実習生の受け入れが可能な職種一覧

外国人技能実習生を受け入れることのできる職種は、下記のように定められています。

  1. 農業関係
  2. 漁業関係
  3. 建設関係
  4. 食品製造関係
  5. 繊維・衣服関係
  6. 機械・金属関係
  7. その他
  8. 社内検定型の職種・作業

さらにそれぞれの職種に、細かく作業が分類されています。技能実習生が多い職種としては、1位が食品製造関係、次に機械・金属関係、建設関係と続いています。

また、受け入れ可能な職種は定期的に見直しが行われており、2022年には「鉄道車両整備職種」が追加されるなど必要に応じて追加されてきました。

今後も技能実習生を受け入れることのできる職種は増えてくると予想されますので、最新の情報を常にチェックしておくようにしましょう。

まとめ

技能実習生を雇うことのできる会社の条件

技能実習生を雇うことのできる会社の条件や人数制限、技能実習生の受け入れが認められない会社の条件について解説してきました。外国人技能実習生はどの企業でも受け入れられるというわけではなく、賃金面や保険の加入、住居の確保などいくつかの条件を満たしていなければなりません。

さらに、法律に違反し、罰則を受けたことがある場合は5年間受け入れが認められません。また、受け入れられる外国人技能実習生の人数にも制限があります。企業の常勤職員の人数に応じて受け入れられる人数が変わってきますので、事前に確認しておくようにしましょう。